夏がおわった9月ごろになると、ひと夏働いてくれたエアコンを冬の稼働に向けて一度掃除したいと思うものです。
しかし、専門業者のエアコンクリーニングを利用すると1台当たり6,000円~10,000円もかかってしまいます。
実は簡単なエアコンの清掃に6000円かけるよりも、自分の力で綺麗にするほうが安上がりですし、気になる部分も徹底的にキレイにすることができます。
この記事では、自分でできるエアコン掃除について紹介します。
これからエアコンを掃除をしようと考えている方は、この記事を参考にしていただけると嬉しいです。
エアコン掃除に必要な道具と準備
まずはコンセントを抜きましょう。
エアコン掃除だけではないですが、電化製品を掃除するときは感電すると危険なので、必ずコンセントを抜いて通電しない状態にする必要があります。
掃除に必要な道具はこちら
- ・雑巾
- 外部や内部の汚れをふき取る時に使います。
- ・歯ブラシ or マツイ棒 or すみっこスポンジ
- 細かい部分の取れにくい汚れを落とすことができます。
- ・ドライバー
- 外部パネルなど部品を外す際に必要になる場合があります。
- ・ゴーグルやマスクなど衛生品
- カビが目などの粘膜に触れると体に悪影響を及ぼすので自分の身を守るために用意します。
- ・掃除機
- ほこりなどの大きな汚れを一度に清掃することができるので用意します。
- ・エアコン洗浄スプレー
- これを使うことで冷却フィン(熱交換機)の掃除がかなり楽になるので必須アイテムです。近所のマツキヨで2本セット800円ほどで購入
- 霧吹き or ペットボトル
- ファンを水で濯ぐときに必要になります。
これらを用意して、エアコンの清掃にとりかかりましょう。
まずはエアコンのフィルターを掃除する
1,掃除機や雑巾などでホコリを掃除する
フロントパネルを外す前に、ホコリが舞ってしまうと思うので、あらかじめ掃除機や雑巾などでホコリの汚れを吸い取ってしまいます。
2,フロントパネルを外します。
各メーカーにより違いがあるかもしれませんが、フロントパネルの両端を手で持ち上げるとパカっと上に開くと思います。そのまま外すこともできますが、上に持ち上げるタイプであれば外さずに掃除することも可能です。
私もそうですが、ダニやホコリなどのハウスダストでアレルギー反応がでる方は、このときにマスクとゴーグルをつけることも忘れずに!
3,フィルターを外す
網目状のフィルターがありますね。フィルターを手で少し持ち上げて、下側に引っ張ると簡単に外せるので、そのまま外します。
4,フィルターのホコリを掃除機で吸い取る
このときに、掃除機をかける順番があります。フィルターの表面から掃除をかけることで、ホコリが網目状の部分に詰まらないようにします。
5,お風呂場でシャワーをかけて汚れを洗い流す
このときの順番は、ホコリが網目に詰まらないよう、フィルター裏面から表面にシャワーをかけるようにします。歯ブラシなどで優しく擦ると細かい汚れが落としやすいです。
歯ブラシを使っても落ちにくい場合は、キッチンの洗い物に使っている洗剤を薄めてフィルターに少しかけて擦ります。あまり強くこすってしまうとフィルターを痛めてしまうのでなるべく優しく洗います。
洗い終わったフィルターやフロントパネルは軽く水分を拭き取り、外で干してしっかりと乾燥させます。
冷却フィン(熱交換機)の掃除
冷却フィン(熱交換機)はエアコンの空気を温かくしたり冷たくしたりする部分です。ここが汚れていたりするとエアコンの運転効率が下がってしまうので電気代もあがってしまいます。
またカビが発生する箇所でもあり、エアコンが臭う原因となります。
1,まずは掃除機や歯ブラシでホコリを取る
冷却フィンはホコリが溜まりやすい部分でもあるので、フィルターと同様に掃除機で吸い取ります。
掃除の先にブラシを装着して、ゆっくりと優しく吸い取りましょう。掃除機のブラシがない場合は、歯ブラシを使ってフィンにそってホコリを取りましょう。
冷却フィンは柔らかく力を強くかけると変形する可能性があるので注意してください。
2,エアコン洗浄スプレーでクリーニング
そしてホコリが取れたら用意してあるエアコン洗浄スプレーなどの専用スプレーで汚れを落とします。
フィンの向きにそってスプレーしたら、10分ほど放置して完了です。
エアコン洗浄スプレーは、水などで洗い流す必要はありません、勝手に室外機のドレンホースに流れていきます。
汚水が床に垂れることなくドレンホースに流れていくので、ビニールなどで床を守る必要はありませんが、実際にやってみるとやはり少し垂れました。
畳や絨毯などが心配な場合は、後術する送風ファンの清掃作業のようにゴミ袋で養生したほうがよいかもしれません。
また、冷却フィンをマジックリンなどの強アルカリ性の洗剤で洗うのはやめましょう。
冷却フィンの表面は親油性被膜材でコーディングされているため、強アルカリ性の洗剤を使うと被膜材が薄くなったり剥がれたりしてしまいます。
親油性被膜材は、冷却フィンを円滑に使用するためにも錆や細菌の発生を防止する役割もある大切なコーディングなので、強アルカリ性の洗剤を冷却フィン(熱交換機)の掃除に使用しないように注意してください。
エアコンの各所に生えたカビを撃退する
先ほど洗ったフィルター、フロントパネル、冷却フィン(熱交換機)を洗っただけで満足してしまいがちですが、まだまだ落とし切れていないカビがエアコンには生えています。
掃除をこまめにしていたとしても、エアコンを使った後に送風運転をしてエアコン内部を乾燥させない限り、湿度が高くカビが生えやすい環境になってしまいます。
ホコリは吸い取ればすぐに取れる汚れですが、カビは一見とれたように見えても繁殖を続けることがありますので徹底的に除去していきます。
吹き出し口やルーバーの汚れ・カビを掃除する
外見に最も不快感を与える場所がやはり外側の見える場所ですよね。
中に生えているカビも厄介ですが、外に生えているカビも見ていて気持ちの良いものではありません。
風が出てくる吹き出し口や風の向きを変えるルーバーが汚れていたら気になる場所になります。
ルーバーの中を覗くとカビが見えます
吹き出し口とルーバーの掃除手順
- クリームクレンザーをマツイ棒や歯ブラシにつける。ルーバーに直接クリームクレンザーはつけると故障の原因となるため注意してください。
- カビがはえている部分をとにかく擦る
- 目で見てわかる部分が綺麗になったらタオルなどにつけたクリームクレンザーで全体を拭く
- 仕上げに雑巾などで軽く水拭きして、しっかりと乾拭きする
クレンザーとタオルを使って全体を拭きとることで、目に見えないカビまで除菌することができます。
クレンザーが付着したままだと固まってしまうので、雑巾などで軽く水拭きして、そのあとにしっかり乾拭きして仕上げになります。
エアコンの送風ファンを掃除する
ここまででエアコン掃除完了としても良いのですが、せっかくだから徹底的に綺麗したい場合は、ルーバーの奥にある送風ファンを洗浄します。
送風ファンは、エアコンの掃除のなかでも一番の大掛かりになる掃除箇所です。
ですが、エアコンの風がカビ臭い場合は、恐らくここを掃除することで臭いの原因を解決できると思います。
まずは送風ファンが掃除できるかルーバーを外してチェック
チェック手順
- ルーバーを外す
- 用意した歯ブラシが送風ファンに届くか、磨けそうか確認する
- 掃除機にブラシをつけて掃除できそうか確認する
ルーバーの外し方は、真ん中で固定されてある部分を外して、両端を外すことで簡単に取り外せます。
ルーバーを外すと奥に見えるのが送風ファンです
送風ファンに歯ブラシや掃除機が届かないようであれば業者に頼む方が良いと思います。ブラシがファンに届く場合はこのまま続けて読んでください。
送風ファンを掃除する準備
エアコンの送風ファンの掃除は非常に手間がかかりますし、汚れも多く出てきます。
そのため部屋が汚れないようにゴミ袋を使って養生します。
ゴミ袋を使った養生の作り方
45リットルのゴミ袋を口の部分(開く部分)から底に向かって折り目にそうように切る。
広げるとこんな感じになります。三角の先に水が流れる穴を開けます。
先ほどの三角の高さが高いほうを壁面にしてテープで止めます。穴の下にバケツやゴミ箱などで汚水を受けるように設置して完成です
養成シートはAmazonやホームセンターでも購入できるので、これから何度もエアコン掃除をするのであれば購入しても良いかもしれないですね。
送風ファンを濯ぐための道具を準備
もう一つ準備する物として、送風ファンを濯ぐための道具が必要です。
- 霧吹き
- ペットボトルのキャップに穴をあけたもの
どちらか一つあれば大丈夫ですが、ある程度、水が勢いよく出ること、しっかりとファンを狙いながら濯げるものなら問題ないです。
送風ファンの掃除手順
作業の前に、エアコンのコンセントを抜いていることを再確認しましょう。
1、まずは何もつけていない歯ブラシや、マツイ棒・すみっこスポンジでゴシゴシと磨く
もし、ブラシをつけた掃除機が使えるなら、ここは掃除機のほうが効率が良いと思います。
2、送風ファン専用の洗剤をかけて10分~30分ほど時間を置く。
今回は冷却フィンで使ったエアコン洗浄スプレーが余っているのでこれを使いました。防カビ・消臭・除菌のものを使用。
※電子部品にかかると故障の原因となるので注意してください。
3、一か所ずつ送風ファンを歯ブラシや、すみっこスポンジなどで磨いては回転させ、磨いては回転させを繰り返す
この作業が一番きついです。ここを乗り切れば、キレイなファンから風邪が流れてくるエアコンに生まれ変わるので頑張りましょう。
4、送風ファンを水でしっかりと濯ぎます
十分に磨けたら、霧吹きかフタに穴をあけたペットボトルを使い、たっぷりと水をかけて濯ぎ、洗剤や汚れを全て流します。
今回は自宅にあった霧吹きを使いました。なぜか、霧吹きなのに水鉄砲のような一直線の水が勢いよく飛び出します。(100均で買ったものです。)
フタに穴を開けたペットボトルを使う場合は、水を入れて握ることで勢いの強い水が出ます。この勢いを使って洗剤と汚れを十分に濯ぎます。
※電子部品にかかると故障の原因となるので注意してください。
5、ファンやルーバー回り汚れや水分を拭き取る
ファンやルーバー回りの汚れや水分を雑巾や濡らしたテッシュなどで拭き取りましょう。水が垂れないようであれば養生を外します。
6、数時間ほど放置して、しっかりと乾燥させる
ある程度、乾燥してきたところで、取り外した、ルーバー、フィルター、フロントパネルを元に戻します。
7、エアコンを数時間ほど送風運転(内部クリーン)で乾燥させる
これらの工程が終わったら、エアコンを数時間ほど送風運転(内部クリーン)にします。
送風ファンについている水分を飛ばして、カビが繁殖しないように完全に乾燥させましょう。
8、ファン掃除のビフォーアフター
ビフォー
アフター
エアコンの室外機の掃除
エアコンの室外機は雨風に強い設計になっています。
しかし、ホコリや木の葉や枝などの異物が室外機に詰まってしまい通常のパワーを発揮できない状態になってしまうことがあります。
汚れを除去して正常に機能するように掃除していきます。
1、室外機のファンに異物がないか確認する
ファンは放熱や排気を行うための大切な部品なので、異物が付いていないかを確認し、もしついていた場合には、ブラシなどで優しく書き出し、汚れが多い時は掃除機などを使い効率的に掃除します。
2、室外機の背面のフィン(熱交換機)を綺麗にする
背面をのぞいてみるとアルミで出来ている板の集まりが見えると思います。
この部分がエアコンと熱の交換をしているのですが、ここに枯れ葉などのゴミが詰まっていると熱交換の妨げになるためゴミやホコリを除去します。
非常に繊細な柔らかい板なので強い力をかけることなくブラシなどで慎重に優しく掃除します。
3、冬の前には必ずチェックする必要のある水抜き穴
暖房を使用した時に蒸留する水分を排出するための水抜き穴を掃除します。
室外機の下に位置する場所で非常に掃除がしにくい場所ですが、ここが詰まってしまうと水が溜まってしまい水漏れや部品のショートなど故障につながります。
細いブラシや棒などを使いゴミを取り除きます。
4、ドレンホースの汚れもしっかりと除去
室外機の近くに細いホースがありますよね?これは熱交換器に溜まった結露水を流すためのドレンホースです。
細いホースなので、砂やほこり、蜘蛛の巣などで詰まってしまいがちなので細いブラシを使うなどして綺麗に洗います。
エアコン掃除に高圧洗浄機はおすすめできない理由
内部も外部もエアコンに高圧洗浄機を使えばすぐに終わるのでは?と考える方もいると思います。
確かに、一見すぐキレイになる高圧洗浄機ですが実はエアコン清掃にしては圧力が強すぎてエアコンを破損させてしまう可能性があるのです。
そのためあまりオススメはせずに、実際にパーツを外して水を使うのであればシャワーなどの水圧が弱いものを使うか、布を使って優しく掃除をする必要があるのです。
エアコンの掃除に水を使いたいのであればホースの先を握って少し強い勢い程度で全然良いのです。
あまり無茶をした清掃をすると業者に頼むよりも故障によってかえって修理費などで出費が高くつくこともあるので、電化製品は慎重に掃除をする必要があります。
エアコンにカビが発生する原因と予防法
今回の掃除で完璧にキレイにしたエアコンですが、またしばらく期間をおくとどこからともなく黒カビがやってきて、また外部も内部も所々黒ずんでしまいます。
それを防ぐ簡単な予防法あるのでご紹介させていただきます。
カビが発生する原因を知る
皆さんご存知の通り、カビは湿度が高く、じめじめした場所を好みます。そしてエアコンのカビは、使用後のエアコン本体内の湿度の高さが原因で発生します。
つまり、エアコンの冷房を使用した後は、エアコンの中の湿度が高い状態でカビが喜ぶ環境になっているのです。
カビが生えてしまうとエアコンから出てくる風が臭くなり、その空気を吸っているとカビ肺炎になったり、過敏性肺炎になる可能性があります。
幼い子供がいる場合は、特に子供の肺を守るためにも、エアコンを掃除したりカビが繁殖しない環境にする必要があります。
エアコン使用後は、送風機能(内部クリーン)で内部を乾燥させる
ズバリ、エアコンの送風機能(内部クリーン)を使うことによってエアコンに生えるカビを防止することができます。
エアコンは冷房などで使用したあとは内部が湿度の高い状態になっています。これをこのまま放置すると、カビは繁殖してしまいます。
しかし、送風運転をすることによってエアコン内部の湿度が多い空気を外に排出することで内部を乾燥させることができます。
湿度が高いとカビが生えるということは湿度を低くすればよいのです。
つまり、エアコンを使用したあとに数十分だけ送風にするだけでカビが生えにくい環境を作ることができます。
たったこれだけのことですが、これ本当に効果があります、是非試してみてください。
湿度の多い空気が排出されると部屋全体がじめじめしてしまうので、窓を開けるなどをして換気をすると良いでしょう。
エアコン掃除の頻度
今回のエアコン掃除はかなり大変でした。こんな大掛かりな掃除は何度もしてられません。ですが、ファン以外の掃除であれば、そんなに時間もかからず簡単にできると思います。
フィルターやルーバーなどはこまめに掃除して、エアコン使用後は送風で乾燥させてカビの発生を予防することで、エアコン掃除の頻度は、夏前と冬前の年2回で十分だと思います。
特に夏はエアコンを多く使う季節ですし、カビも繁殖しやすいため、しっかりと掃除してから使うことをオススメします。
電気代や健康面も考慮して、使用頻度が多くなる時期の年2回は綺麗に掃除をしてから効率的にエアコンを活用しましょう。
エアコンクリーニング業者と自分で掃除する違い
エアコン掃除を専門業者に依頼するのと、自分でする違いは何でしょうか?
- 分解して細部までクリーニングできる
- 専用機材などを使うので効率的でスピーディーに掃除が終わる
- プロなので故障などのリスクが低い
素人では外せないパーツを外すことによって、手が届かない掃除ができない部分も綺麗にできるのであの値段なのですね。
料金を見ると高いと感じる専門業者のエアコンクリーニングですが、上記のような点や自分で掃除をする手間を考えると、それ相応の価値はあると思います。
まとめ
自分でできるエアコンの掃除法はいかがだったでしょうか?思っていたより簡単にできそうだと感じませんか?
実際やってみると、そこまで難しいことはなく、かなりキレイに掃除できるので、時間があれば次回もエアコン掃除は自分でやりたいですね。
ただ、分解しないといけない場合は、自分でやってしまうと故障などのリスクがあり、専門業者に依頼するよりも高くつくことになりますので注意してくださいね。